読みもの|探偵シリーズ 第3話冬の樽の
事件簿寿司のご先祖さまに、今夜の一杯を。
この物語はフィクションです。登場人物は架空の人物で、人物の写真はイメージです。いずしの歴史や作り方などの情報は、公的な資料などにもとづいています。
握りでも、ちらしでもない。米と麹と魚を樽に漬け、冬のあいだに発酵させる「いずし(飯寿司)」。北海道で受け継がれてきたこの発酵食は、実は寿司のご先祖さまにあたる食べものです。
この記事では、ライターのミナと市場の仲卸・源さんと一緒に、いずしのルーツや作り方、おいしい食べ方、そして「今宵の一杯」に合うお酒の選び方を探っていきます。
プロローグ
樽の中の「お寿司」
ミナ
グルメ雑誌のライター。ホタテ、しいたけに続き、今度は「冬の晩酌特集」を任された。
源さん
市場で長年、魚介を扱ってきた仲卸。口は悪いが説明は的確。酒も魚と同じくらい好き。
晩秋の夕方。晩酌特集の相談をしようと、ミナは市場の源さんの店を訪ねた。店の奥で、源さんは大きな木樽にかがみ込み、何かを一段ずつ敷き詰めている。
源さんが棚から下ろしたのは、手のひらにのるほどの小さな木樽。ラベルには「キンキのいずし」とある。
第1幕
寿司の祖先|東南アジアから、北の浜へ
ミナの取材メモ|いずしのルーツ
- ルーツ:東南アジアの稲作地帯で、川魚を米と発酵させた保存食。中国大陸などを経て日本へ伝わったと言われる
- 系譜:酢を使う今のお寿司ではなく、発酵させる「なれずし」の流れ
- 北海道のいずし:米麹を使って発酵させる。麹を使ういずしは、室町時代にはつくられていたとされる
第2幕
樽の中|家の数だけ、いずしがある
北海道では、晩秋から初冬にかけて漬け込み、正月ごろに樽を開ける習慣がありました。いずしは冬の貴重なたんぱく源であり、家族や親戚が集まるハレの日の食卓を彩るごちそうでもありました。手間と時間がかかるため、家庭で漬ける機会は減っていますが、今では専門店やスーパーでも買えるようになり、各地で食文化を受け継ぐ取り組みも続いています。
ミナの取材メモ|いずしの作り方と文化
- 作り方:塩抜きした魚を酢に漬け、米・野菜・米麹と混ぜて樽へ。重石をのせ、低温で発酵・熟成させる。期間は作り方によって異なる
- 味:発酵期間が比較的短く、匂いはおだやか。魚の脂のコクが楽しめる
- 文化:晩秋〜初冬に漬けて、正月に食べる冬のごちそう
- 注意:家庭で手作りする場合は、食中毒を防ぐため、温度管理や衛生管理に十分な注意が必要とされている
第3幕
ひと口目は、何もつけずに|いずしの食べ方
源さんが小さな樽のふたを開け、小皿にひと口分だけ取り分けた。
ミナの取材メモ|いずしの食べ方5通り
-
そのまままずはこれ発酵の酸味と旨みを素直に楽しむ。初めてなら、まずはこれ -
わさび醤油塩気と辛みが加わり、ご飯やお酒が進む -
軽く炙る魚の脂が香ばしくなり、発酵の香りがやわらぐ -
白ご飯・雑炊にのせる塩気と酸味が、ご飯のおかずになる -
大根おろし・大葉・柚子こしょうを添える酸味がすっきりし、脂の重さが軽くなる
※写真はイメージです
第4幕
洗うか、寄り添うか|いずしに合うお酒
ミナの取材メモ|避けたい組み合わせ
- 渋みの強い赤ワイン:タンニン(渋みのもとになる成分)が、魚の脂や発酵の風味とぶつかりやすい
- 甘口の果実酒・甘いカクテル:塩気と酸味が際立ちすぎて、味が乱れやすい
- 香りがとても強いお酒:麹や魚の繊細な香りを覆ってしまう
エピローグ
北のキンキに、北のシャルドネ
その夜、ミナの部屋。テーブルには、小さな木樽と、北海道産のシャルドネが一本。
酒は、
洗うか、寄り添うか。
早見表
今夜の一杯を選ぶなら
「寄り添う」「洗う」で絞り込めます(8件を表示中)
-
日本酒
寄り添う辛口の純米酒、やや旨口の純米酒
米の旨み同士が調和
そのまま軽く炙って
-
白ワイン
寄り添うリースリング、アルバリーニョ、辛口シャルドネ
乳酸の酸味とワインの酸が呼応
そのまま野菜多めのいずし
-
赤ワイン
寄り添う渋みの少ないピノ・ノワール
重すぎない果実味
わさび醤油炙り
-
焼酎
寄り添う米焼酎・麦焼酎の水割り、お湯割り
米焼酎は米麹の風味とつながる
炙り塩気強めのいずし
-
ビール
洗うラガー、ピルスナー
炭酸と苦みで脂と塩気をリセット
わさび醤油炙り
-
ハイボール
洗うスモーキーすぎないウイスキー
炭酸で脂をリセット、香ばしさをプラス
炙り
-
スパークリング
洗う辛口のスパークリング、シャンパン
泡が脂を流し、軽やかにまとまる
そのまま前菜として少量
-
ノンアルコール
洗う炭酸水、麦茶、緑茶
発酵の風味を邪魔しない
そのまま
※お酒との相性は一般的な目安です。いずしの魚の種類や味つけ、お好みに合わせてお楽しみください。
シーン別
いずしの楽しみ方
- 平日の夜小皿にひと口分。日本酒なら半合ほどから。晩酌の最初の一皿に
- 休日の昼白ワインやスパークリング、または炭酸水や緑茶と軽やかに
- 冬の夜軽く炙って、ぬる燗やお湯割りの焼酎と
- 来客の日「そのまま」「わさび醤油」「炙り」の3通りで出し、日本酒・白ワイン・ビールを並べて好みで
ミナと源さんが味わった「キンキのいずし」は、松丸産直デパートでお取り寄せいただけます。
松丸産直デパートおすすめ
【ペアリングにお手軽おつまみ】
高級魚キンキのいずし
手がけるのは、北海道で90年以上にわたって飯寿司の技術を受け継いできた老舗、中井英策商店。北の海が育んだ高級魚・キンキを、米と米麹とともに真冬の氷点下で漬け込んだ、寒冷地ならではの発酵食です。
発酵特有の酸味とキンキの濃厚な旨みは、白ワインにも日本酒にも寄り添います。物語のエピローグのように、同じ北海道産のシャルドネと合わせれば、酸味がすっきりと引き立つ大人のペアリングを楽しめます。
- 内容量
- 140g(木樽入り)/300g(樽箱入り)
- 賞味期限
- 冷凍で4か月
- 産地
- 北海道(中井英策商店)
- 配送
- 産地から直送(ご注文から10日以内に発送)
¥4,212140g・税込・送料無料
商品ページを見る
食べ比べに和牛の飯寿司「ビーフ・ズーシー」同じ中井英策商店が、いずしの製法を北海道の和牛に応用。大吟醸や熟成白ワインとも好相性です。商品ページを見る
調査報告
まとめ
- いずしは、米で発酵させる「なれずし」の流れをくむ、寿司のご先祖さま
- 北海道のいずしは米麹を使い、魚・米・野菜を漬け込んで低温で発酵させる
- 晩秋に漬けて正月に食べる、北海道の冬のごちそう。魚や味は家ごとにさまざま
- 初めてなら、まずは何もつけずに。わさび醤油や炙りで味の変化も楽しめる
- お酒は「洗う」か「寄り添う」か。日本酒や白ワインは寄り添い、ビールや炭酸は洗い流す
室町の昔から続く発酵の知恵に、
今夜の一杯を合わせて。
冬の晩酌に、
いずしを迎えてみてはいかがでしょうか。
お酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中・授乳期の飲酒は控えましょう。
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